2022年10月24日 (月) 20:31 | 編集
劇団劇作家10月公演リーディングミュージカル
『Killer Queens!』、おかげさまで無事に千秋楽を迎えることができました。
素晴らしいスタッフキャストの皆様。
ご来場頂いたお客様方と、配信をご視聴頂いたお客様方に、あらためて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました!
なお、月末までアーカイブ映像で上演をご覧頂ける配信チケットを発売中です。
劇場での上演を見逃した方も、もう一度上演を観たい方も、ぜひご利用くださいませ。
■販売期間
2022/10/30(土) 23:00まで
■視聴期間
2022/10/31(日) 23:55まで
チケット購入はこちら
https://t.co/AhUQ2EBelj


『Killer Queens!』、おかげさまで無事に千秋楽を迎えることができました。
素晴らしいスタッフキャストの皆様。
ご来場頂いたお客様方と、配信をご視聴頂いたお客様方に、あらためて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました!
なお、月末までアーカイブ映像で上演をご覧頂ける配信チケットを発売中です。
劇場での上演を見逃した方も、もう一度上演を観たい方も、ぜひご利用くださいませ。
■販売期間
2022/10/30(土) 23:00まで
■視聴期間
2022/10/31(日) 23:55まで
チケット購入はこちら
https://t.co/AhUQ2EBelj


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2022年10月16日 (日) 09:35 | 編集
本日千秋楽を迎えます『KillerQueens!』のキャスト紹介、ラストを飾るのはこの方、岡田あがささんです。
劇中で「シュガー」と呼ばれるアシスタント役を演じる岡田さん。

お名前は存じあげておりましたし、観客席からは何度か拝見したことがあったのですが、現場をご一緒させて頂くのは今回が初めて。
舞台の上のあがささんはいつもゴージャスでクールでとてもカッコよかったので、実はお会いする前は少し緊張していました。
ですが今回ご一緒した岡田さんは、俳優として魅力的なことはもちろん、人としてもとても思慮深く優しい、素敵な方でした。
オンライン顔合わせの後で最初にメッセージを頂いた時、「シュガー」役を受けてくださった岡田さんが脚本をとても丁寧に愛をもって読んで下さっていることに、すごく励まされたことを覚えています。
その後の稽古でお会いした時も、「シュガー」役の方がこの本と人物にこんなに寄り添ってくれるなら、岡田あがささんになら「シュガー」を安心してお任せして大丈夫だと、そう思ったのです。
そして、私のその「大丈夫だ」と思ったその時の気持ちは、千秋楽の今日まで一度も揺らいだことはありません。
「シュガー」はコンテストの司会進行である「マスター」のアシスタントとして常に自分を殺し、「マスター」に言われた通り、望まれるとおりの役を演じています。でも彼女は意志のない人形ではないので、本当は自分のなかに輝く言葉や魂をもっています。
稽古、そして劇場での公演全てを通じて、岡田あがささんは常に真摯に「シュガー」を尊重されていました。
自分を殺しながら、ぎりぎりまで殺されながら、言葉や魂を失わなかった人物として、劇中の彼女を生かしてくれていました。
『KillerQueens!』は、私が今まで書いてきた脚本とは少し違ったアプローチを試みた作品です。
これまで私の脚本のスタート地点のほとんどは「自分の痛み」もしくは「自分の心や魂が共鳴することのできる他者の痛み」でした。
『KillerQueens!』にはプロトタイプともいえる脚本があるのですが、そこで私が女性のシリアルキラー達を登場人物に選んだのは、書き手の自分がいわゆる健全な社会から逸脱したり疎外された側の人間にシンパシーを覚えやすく、書きやすかったから、ということがあります。
そして「シュガー」は、プロトタイプだった頃の脚本にはまだ存在しなかった人物です。
ですが、そのプロトタイプ脚本を今回上演される『KillerQueens!』にリライトする時、私は私の想像や知識、共感がまったく及ばない場所、いわゆる「健全な社会」から脚本を見直すということをしてみました。
「健全な社会」のなかにある差別、特に性差別や不平等について。
自分が被害を受けたことをきっかけに勉強の機会をもったハラスメント問題について。立場の弱いものを搾取する構造の巧妙さと仕組み。相談を受け、案件に関わるなかで関心が高まったジェンダー平等やフェミニズム思想について。
自身の学びや知識が十分であるとは、まだまだいえないと思います。ですが、今の自分が出来る限り学び考え、女性キラー達が伝説の切り裂きジャックとならぶクイーンの座をめぐって争うというダイナミックな架空の設定のなか、「健全な社会」で彼女たちに起きたことを、丁寧に、繊細なものを積んでいくような気持で書いていきました。
そうしていくなかで「シュガー」という存在が浮かび上がってきました。
私が劇作に行き詰った時、読み返したり立ち返る本や言葉がいくつかあるのですが、そのなかにこんな言葉があります。
「もはや名前もわからなくなった人々を死者の世界に探しにいくこと、文学とはこれにつきるのかもしれない」
「道徳や法律では救われない人の心のためにアートというものは存在する」
劇中に登場する「シュガー」以外の女性は、皆名前の残っている女性キラーズです。
「シュガー」だけが名前がなく、誰でもなく、ゆえに彼女が劇中は「名前も、顔も、理由も奪われたまま殺されて、永遠に沈黙しなければならない女性」全てでもあります。
死者の世界へ探しに行っても、その人達の声を自分が代弁できるとは思いません。ただ、その人達にも声が、魂が在ったということは書きたいと思いました。
彼女達に声があったこと、それが失われたこと、それが失われることが顧みられなかったことへの思いをはせた時に、「シュガー」という、完全に架空の女性の言葉、同時に架空ということにされたけれど現実にいた、されているけれども現実にいる女性達へかける言葉が、自分なりに書けたのではないかと思っています
岡田あがささんが舞台でそれを声にした時、それは呪詛でもあり祝詞でもあり、すすり泣きでもあり爆発でもあり、彼方から響く声でもあり、今目の前で両手を広げている人間の叫びでもあり。
脚本に書かれた時はセリフだったものが、あがささんのその声を通した時、聞いた人がその人のハートや魂にそう形で受け取れる自由な詩になる瞬間を、何度も鮮やかに見せてもらいました。
本日が千秋楽で、残りが11:30開演と16時開演の2ステージ。当日券もございます。
「シュガー」について、そのすべてを劇場で観て頂きたいです。
劇場のプロセミアムを超えて客席まで、劇場の外、現実まで届きそうな、とどまらない歌声、風のような熱いハートと魂に触れてほしいと思います。


劇中で「シュガー」と呼ばれるアシスタント役を演じる岡田さん。

お名前は存じあげておりましたし、観客席からは何度か拝見したことがあったのですが、現場をご一緒させて頂くのは今回が初めて。
舞台の上のあがささんはいつもゴージャスでクールでとてもカッコよかったので、実はお会いする前は少し緊張していました。
ですが今回ご一緒した岡田さんは、俳優として魅力的なことはもちろん、人としてもとても思慮深く優しい、素敵な方でした。
オンライン顔合わせの後で最初にメッセージを頂いた時、「シュガー」役を受けてくださった岡田さんが脚本をとても丁寧に愛をもって読んで下さっていることに、すごく励まされたことを覚えています。
その後の稽古でお会いした時も、「シュガー」役の方がこの本と人物にこんなに寄り添ってくれるなら、岡田あがささんになら「シュガー」を安心してお任せして大丈夫だと、そう思ったのです。
そして、私のその「大丈夫だ」と思ったその時の気持ちは、千秋楽の今日まで一度も揺らいだことはありません。
「シュガー」はコンテストの司会進行である「マスター」のアシスタントとして常に自分を殺し、「マスター」に言われた通り、望まれるとおりの役を演じています。でも彼女は意志のない人形ではないので、本当は自分のなかに輝く言葉や魂をもっています。
稽古、そして劇場での公演全てを通じて、岡田あがささんは常に真摯に「シュガー」を尊重されていました。
自分を殺しながら、ぎりぎりまで殺されながら、言葉や魂を失わなかった人物として、劇中の彼女を生かしてくれていました。
『KillerQueens!』は、私が今まで書いてきた脚本とは少し違ったアプローチを試みた作品です。
これまで私の脚本のスタート地点のほとんどは「自分の痛み」もしくは「自分の心や魂が共鳴することのできる他者の痛み」でした。
『KillerQueens!』にはプロトタイプともいえる脚本があるのですが、そこで私が女性のシリアルキラー達を登場人物に選んだのは、書き手の自分がいわゆる健全な社会から逸脱したり疎外された側の人間にシンパシーを覚えやすく、書きやすかったから、ということがあります。
そして「シュガー」は、プロトタイプだった頃の脚本にはまだ存在しなかった人物です。
ですが、そのプロトタイプ脚本を今回上演される『KillerQueens!』にリライトする時、私は私の想像や知識、共感がまったく及ばない場所、いわゆる「健全な社会」から脚本を見直すということをしてみました。
「健全な社会」のなかにある差別、特に性差別や不平等について。
自分が被害を受けたことをきっかけに勉強の機会をもったハラスメント問題について。立場の弱いものを搾取する構造の巧妙さと仕組み。相談を受け、案件に関わるなかで関心が高まったジェンダー平等やフェミニズム思想について。
自身の学びや知識が十分であるとは、まだまだいえないと思います。ですが、今の自分が出来る限り学び考え、女性キラー達が伝説の切り裂きジャックとならぶクイーンの座をめぐって争うというダイナミックな架空の設定のなか、「健全な社会」で彼女たちに起きたことを、丁寧に、繊細なものを積んでいくような気持で書いていきました。
そうしていくなかで「シュガー」という存在が浮かび上がってきました。
私が劇作に行き詰った時、読み返したり立ち返る本や言葉がいくつかあるのですが、そのなかにこんな言葉があります。
「もはや名前もわからなくなった人々を死者の世界に探しにいくこと、文学とはこれにつきるのかもしれない」
「道徳や法律では救われない人の心のためにアートというものは存在する」
劇中に登場する「シュガー」以外の女性は、皆名前の残っている女性キラーズです。
「シュガー」だけが名前がなく、誰でもなく、ゆえに彼女が劇中は「名前も、顔も、理由も奪われたまま殺されて、永遠に沈黙しなければならない女性」全てでもあります。
死者の世界へ探しに行っても、その人達の声を自分が代弁できるとは思いません。ただ、その人達にも声が、魂が在ったということは書きたいと思いました。
彼女達に声があったこと、それが失われたこと、それが失われることが顧みられなかったことへの思いをはせた時に、「シュガー」という、完全に架空の女性の言葉、同時に架空ということにされたけれど現実にいた、されているけれども現実にいる女性達へかける言葉が、自分なりに書けたのではないかと思っています
岡田あがささんが舞台でそれを声にした時、それは呪詛でもあり祝詞でもあり、すすり泣きでもあり爆発でもあり、彼方から響く声でもあり、今目の前で両手を広げている人間の叫びでもあり。
脚本に書かれた時はセリフだったものが、あがささんのその声を通した時、聞いた人がその人のハートや魂にそう形で受け取れる自由な詩になる瞬間を、何度も鮮やかに見せてもらいました。
本日が千秋楽で、残りが11:30開演と16時開演の2ステージ。当日券もございます。
「シュガー」について、そのすべてを劇場で観て頂きたいです。
劇場のプロセミアムを超えて客席まで、劇場の外、現実まで届きそうな、とどまらない歌声、風のような熱いハートと魂に触れてほしいと思います。


2022年10月15日 (土) 11:37 | 編集
キャスト紹介の9人目には『KillerQueens!』の黒一点、「マスター」を演じる大田翔さんにご登場いただきます!

大田翔さんとは今回の現場が初めましてになるのですが、朗々と響く歌声にすっと背筋の伸びた長身。個性の強い女性キラー達の真ん中にいても、押し負けずに立てる華やかな存在感のある方です。
大田さん演じる「マスター」は、キラークイーンコンテストの司会進行を名乗る謎の男として登場します。最初はいかにも感じよく、丁寧でにこやかな好青年然としていますが、コンテストが進行して女性キラー達の紹介がすすむにつれ、漆喰の壁が剥がれていくように、仮面がひび割れていくように「マスター」の姿も露わになっていきます。
『KillerQueens!』という劇中で、さらに役を羽織るように司会進行の「マスター」を演じる彼は、キラー達を煽り、客席に歌いかけ、「シュガー」と呼ぶアシスタントを使役しながら、常にただ1人高みにいるような存在で、他の人物と交流しているようでしておらず、自分がコンテストに参加することもありません。

稽古場に通し稽古を見に来てくださった演劇の制作者の方が書いてくれた劇評には、以下のような下りがあります。
「彼女たちのなかで徐々に静かな連帯が生まれてきた…ように見えたその刹那、決定的な転機が訪れる。露わになるのは、たった一名の「男性」により舞台上の全てが支配されているという、実にグロテスクな構造である」(中村みなみ)
『KillerQueens!』のあらすじには、シリアルキラー界の伝説、切り裂きジャックに並ぶ女性キラーの頂点、キラークイーンになるために集められたキラーズが、オーディエンスに審査され、コンテストで争うといった筋書きが書かれています。
では、彼女達を審査する視線は誰のものか。彼女達を争わせるのは果たして誰なのか。そもそも彼女達は争う必要があるのか。
女性キラー達を「愛」「感動」「エンタメ」のために消費し、搾取する。
こうした構造は劇中に留まらず、現実の、現代の社会にも見えにくく巣食っているものだと私は思っています。
「マスター」はその構造を擬人化したような人物ですが、演じる大田翔さんは、いい意味で「マスター」らしさがない方です。
本作の脚本中には、マスターに乱暴な動きの指定や、若い女性を嘲るような動作の指示があります。※実際に劇中で生々しく演じられることはありません。
稽古、通しを重ねるうちに、「マスター」の闇が大田さんに着々と付与されていきましたが、たとえ演技でありフリであったとしても、普段からそういう乱暴さや嘲りの気持ちとは無縁の方なんだろうな…と思います。
白鳥の湖で例えるなら、ジークフリートのような爽やかな王子様が嫌味なく似合う。
そんな大田翔さんが今回演じる「マスター」は、王子ジークフリートと見せかけた、悪魔ロットバルトといった役柄です。
キラー達を裁く審判のラッパのような歌声を高らかに響かせる、闇属性の黒い大田翔さん。
いつもは光属性の役を演じられることが多いというお話なので、ファンの方には珍しい役柄を楽しんでもらえると思いますし、今作で大田さんを知る方も、大田さん演じる「マスター」を堪能してもらえると思います。
そして『KillerQueens!』には、キラークイーンコンテストに集められた女性キラー達がコンテストで競い合う…というあらすじの他に、もう1パターン紹介文があります。
それが「シリアルキラー達のシスターフッドストーリー」。
シスターフッドは日本語だと女性同士の連帯、という意味でつかわれることが多い言葉ですが、キラー達の間に連帯が、共感が、友情が生まれた時、「マスター」が支配するコンテスト会場では何がおこるのか。そして「マスター」に象徴される構造に支配された現実の世界では、何か変わることがあるのか?
是非その結末を、「マスター」風に「ご覧あれ!」と皆様に歌いかけたい気持ちです。
【ご予約フォーム】
https://www.quartet-online.net/ticket/killer_queens?m=0mbabdj
(大田翔さん扱い )

劇団劇作家10月公演
リーディングミュージカル
『Killer Queens!』
【ストーリー】
伝説のシリアルキラー、切り裂きジャックとならびたつ女性キラー「KillerQueen」の座をかけて、「マスター」を名乗る謎の司会者のもと、コンテストに集った8人の女性殺人者たち。
はたして「KillerQueen」の座は誰の手に…?
シリアルキラーズ×シスターフッドストーリー!!
【脚本】モスクワカヌ(劇団劇作家)
【演出】赤澤ムック
【音楽】伊藤靖浩
【会場】
TACCS1179
〒161-0034 東京都新宿区上落合1-17-9
西武新宿線 下落合駅下車 北口から徒歩約3分
※本公演の会場は地下にあり、エレベーター等の設備がございません。大変申し訳ありませんが、車いすでのご入場が難しい旨あらかじめご了承ください。
【日時】
2022年10月14日(金)~16日(日)
10/14(金) 19:00
10/15(土) 14:00/19:00
10/16(日) 11:30/16:00
※開場は開演の30分前です。
【チケット】全席自由
一般 4,000円
学生U-18 2,000円
障がい者割引 2,000円
配信チケット 1,500円
【ライブ配信について】
■日時
2022年10月16日(日) 11:30
■アーカイブ販売期間
2022年10月30日(土) 23:00まで
■アーカイブ視聴期間
2022年10月31日(日) 23:55まで
ライブ配信チケット購入はこちらから
https://musicalkillerqueens.peatix.com/
【CAST】
伊藤 昌子
大田 翔
岡田 あがさ
小見 美幸
角島 美緒
神 由紀子(朱の会)
関森 絵美
竹内 真里
露詰 茉悠
中谷 弥生
(五十音順)
【お知らせ】
本公演は感染症対策の観点から、ご来場頂くお客様に以下の事項をお願いしております。
おそれいりますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
・入館される際、検温を実施いたします。検温にて 37.5℃ 以上の発熱が見られる方につきましては劇場内へのご入場をお断り致します。
・公演中に激しい咳や発熱など感染の疑いのあるお客様が発生した場合には、ご退席頂きます。
・ご来場の際には不織布マスク着用でお願い致します。
・入り口にアルコール除菌スプレーを設置し、除菌にご協力頂きます。
・受付やトイレなどに並ぶ場合には、できる限り間隔を開けてお並び下さい。
・出演者への差し入れ・プレゼントは受け付けておりません。
・終演後の出演者・スタッフとのご面会はできません。
【その他】
今回使用する劇場は、ロビーから客席までの移動手段が階段のみとなります。
そのため、大変恐れ入りますが、車椅子でのご入場が難しい旨、あらかじめご了承くださいませ。
ご観劇に際して、お問い合わせやご不明な点等ありましたらご相談ください。

大田翔さんとは今回の現場が初めましてになるのですが、朗々と響く歌声にすっと背筋の伸びた長身。個性の強い女性キラー達の真ん中にいても、押し負けずに立てる華やかな存在感のある方です。
大田さん演じる「マスター」は、キラークイーンコンテストの司会進行を名乗る謎の男として登場します。最初はいかにも感じよく、丁寧でにこやかな好青年然としていますが、コンテストが進行して女性キラー達の紹介がすすむにつれ、漆喰の壁が剥がれていくように、仮面がひび割れていくように「マスター」の姿も露わになっていきます。
『KillerQueens!』という劇中で、さらに役を羽織るように司会進行の「マスター」を演じる彼は、キラー達を煽り、客席に歌いかけ、「シュガー」と呼ぶアシスタントを使役しながら、常にただ1人高みにいるような存在で、他の人物と交流しているようでしておらず、自分がコンテストに参加することもありません。

稽古場に通し稽古を見に来てくださった演劇の制作者の方が書いてくれた劇評には、以下のような下りがあります。
「彼女たちのなかで徐々に静かな連帯が生まれてきた…ように見えたその刹那、決定的な転機が訪れる。露わになるのは、たった一名の「男性」により舞台上の全てが支配されているという、実にグロテスクな構造である」(中村みなみ)
『KillerQueens!』のあらすじには、シリアルキラー界の伝説、切り裂きジャックに並ぶ女性キラーの頂点、キラークイーンになるために集められたキラーズが、オーディエンスに審査され、コンテストで争うといった筋書きが書かれています。
では、彼女達を審査する視線は誰のものか。彼女達を争わせるのは果たして誰なのか。そもそも彼女達は争う必要があるのか。
女性キラー達を「愛」「感動」「エンタメ」のために消費し、搾取する。
こうした構造は劇中に留まらず、現実の、現代の社会にも見えにくく巣食っているものだと私は思っています。
「マスター」はその構造を擬人化したような人物ですが、演じる大田翔さんは、いい意味で「マスター」らしさがない方です。
本作の脚本中には、マスターに乱暴な動きの指定や、若い女性を嘲るような動作の指示があります。※実際に劇中で生々しく演じられることはありません。
稽古、通しを重ねるうちに、「マスター」の闇が大田さんに着々と付与されていきましたが、たとえ演技でありフリであったとしても、普段からそういう乱暴さや嘲りの気持ちとは無縁の方なんだろうな…と思います。
白鳥の湖で例えるなら、ジークフリートのような爽やかな王子様が嫌味なく似合う。
そんな大田翔さんが今回演じる「マスター」は、王子ジークフリートと見せかけた、悪魔ロットバルトといった役柄です。
キラー達を裁く審判のラッパのような歌声を高らかに響かせる、闇属性の黒い大田翔さん。
いつもは光属性の役を演じられることが多いというお話なので、ファンの方には珍しい役柄を楽しんでもらえると思いますし、今作で大田さんを知る方も、大田さん演じる「マスター」を堪能してもらえると思います。
そして『KillerQueens!』には、キラークイーンコンテストに集められた女性キラー達がコンテストで競い合う…というあらすじの他に、もう1パターン紹介文があります。
それが「シリアルキラー達のシスターフッドストーリー」。
シスターフッドは日本語だと女性同士の連帯、という意味でつかわれることが多い言葉ですが、キラー達の間に連帯が、共感が、友情が生まれた時、「マスター」が支配するコンテスト会場では何がおこるのか。そして「マスター」に象徴される構造に支配された現実の世界では、何か変わることがあるのか?
是非その結末を、「マスター」風に「ご覧あれ!」と皆様に歌いかけたい気持ちです。
【ご予約フォーム】
https://www.quartet-online.net/ticket/killer_queens?m=0mbabdj
(大田翔さん扱い )

劇団劇作家10月公演
リーディングミュージカル
『Killer Queens!』
【ストーリー】
伝説のシリアルキラー、切り裂きジャックとならびたつ女性キラー「KillerQueen」の座をかけて、「マスター」を名乗る謎の司会者のもと、コンテストに集った8人の女性殺人者たち。
はたして「KillerQueen」の座は誰の手に…?
シリアルキラーズ×シスターフッドストーリー!!
【脚本】モスクワカヌ(劇団劇作家)
【演出】赤澤ムック
【音楽】伊藤靖浩
【会場】
TACCS1179
〒161-0034 東京都新宿区上落合1-17-9
西武新宿線 下落合駅下車 北口から徒歩約3分
※本公演の会場は地下にあり、エレベーター等の設備がございません。大変申し訳ありませんが、車いすでのご入場が難しい旨あらかじめご了承ください。
【日時】
2022年10月14日(金)~16日(日)
10/14(金) 19:00
10/15(土) 14:00/19:00
10/16(日) 11:30/16:00
※開場は開演の30分前です。
【チケット】全席自由
一般 4,000円
学生U-18 2,000円
障がい者割引 2,000円
配信チケット 1,500円
【ライブ配信について】
■日時
2022年10月16日(日) 11:30
■アーカイブ販売期間
2022年10月30日(土) 23:00まで
■アーカイブ視聴期間
2022年10月31日(日) 23:55まで
ライブ配信チケット購入はこちらから
https://musicalkillerqueens.peatix.com/
【CAST】
伊藤 昌子
大田 翔
岡田 あがさ
小見 美幸
角島 美緒
神 由紀子(朱の会)
関森 絵美
竹内 真里
露詰 茉悠
中谷 弥生
(五十音順)
【お知らせ】
本公演は感染症対策の観点から、ご来場頂くお客様に以下の事項をお願いしております。
おそれいりますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
・入館される際、検温を実施いたします。検温にて 37.5℃ 以上の発熱が見られる方につきましては劇場内へのご入場をお断り致します。
・公演中に激しい咳や発熱など感染の疑いのあるお客様が発生した場合には、ご退席頂きます。
・ご来場の際には不織布マスク着用でお願い致します。
・入り口にアルコール除菌スプレーを設置し、除菌にご協力頂きます。
・受付やトイレなどに並ぶ場合には、できる限り間隔を開けてお並び下さい。
・出演者への差し入れ・プレゼントは受け付けておりません。
・終演後の出演者・スタッフとのご面会はできません。
【その他】
今回使用する劇場は、ロビーから客席までの移動手段が階段のみとなります。
そのため、大変恐れ入りますが、車椅子でのご入場が難しい旨、あらかじめご了承くださいませ。
ご観劇に際して、お問い合わせやご不明な点等ありましたらご相談ください。
2022年10月14日 (金) 12:31 | 編集
『KillerQueens!』のキャスト紹介、8人目はアイリーン・ウォーノス役の中谷弥生さんです。

アイリーン・ウォーノスは「モンスター」と呼ばれたアメリカのシリアルキラーで、幼少期から家庭で虐待をうけて育ち、売春で生計をたてながら荒れた貧しい生活を続け、恋人と暮らしていた30代の頃に、自分を買った男たちを1年の間に7人殺害します。
逮捕後の裁判で死刑判決をうけて約10年服役した後、2002年に刑が執行されました。
彼女を題材にした作品のなかでは、『モンスター』という映画がおそらくもっとも有名ですが、それ以外にもドキュメンタリー映画が撮影されていたり、彼女が獄中で友人と交わしていた手紙が書籍として出版されている等、生前から様々なメディア、クリエイター、大衆の注目を集めた女性です。
本作でそのアイリーンを演じる中谷弥生さんと私は、知り合ってからもう10年ほどになります。
公演をつくっていく過程のなかで、中谷弥生さんのアイリーン・ウォーノスが誕生していったのですが、10年来の知己である私の予想や想像を、ぐーんと飛び越していくくらい、シンプルに言えば、弥生さんの演じるアイリーン・ウォーノスはよいのです、とても。
私が知っている弥生さんは、真面目でいつも周りをよく見ていて、頭の回転が速くて気配り上手。必要な時に必要なことをパッとできる等等、ぼんやりしがちな私に出来ないことをなんでもできる人でした。
それに対し、ドキュメンタリーやフィクションの中のアイリーン・ウォーノスは、荒んだ環境のなかで生まれ育ち、陽気にしていたかと思えば突然激怒して酒ヤケした声で気に入らない相手をドヤしつけたり、まるで息を吐くように昨日と今日とでまるきり違う殺人の動機を語る等、乱暴で短慮、物事を集中して考えたり覚えていたりするのが苦手で、常に怒りを抱え、自分で自分を持て余し気味のように見える女性です。
ですが、サイズの合わない汚れたシャツを適当に着て不機嫌そうにしている中谷さんは、鉛のような火のような怒りをずっと飲み込まされてきたキラーとして、こちら側へねめつけるような視線をくれています。
アイリーン・ウォーノスとして舞台に立つ中谷さんの説得力に、俳優と役とがお互いを引き立てあうようなマリアージュが見れることに、稽古でも小屋入りしてからも毎回すごくワクワクしています。

劇中、アイリーンは「あんたさ、世の中なんてクソくらえっつって、結局クソ喰らわされた側だろ」というセリフを投げます。
ですが現実のアイリーン・ウォーノスこそ、自分で選んだわけでない過酷な家庭環境のなかで、映画スターを夢見る少女だった彼女が望んだわけじゃないクソみたいなものをたくさん無理やり詰め込まれてきた女性です。
彼女をモデルにした映画にも、彼女の半生を綴った書籍にも、彼女を自分の欲望や怒りや甘えをいくらでも詰め込んで構わないかのように扱う男達が何人も登場します。
「むしろよく30歳すぎるまで人を殺さなかったな…? 実はめちゃくちゃ我慢強いタフな人だったのでは…?」と一瞬誤解しそうになるくらいです。(何度も暴力沙汰を起こしている彼女が殺人を犯さずにいたのはたまたまだったのかなとは思いつつ)
ですが当たり前ですが彼女は、何を食わされても平気だったわけでもなく、ただ黙って口を開けているだけの穴でもなく、生きた人間でした。
そして「もうたくさんだ!」と叫ぶみたいに、彼女は7人の男たちを撃ち殺して、捕まって処刑されました。
中谷さん演じる劇中のアイリーンは多弁ではありませんが、黙ってただそこにいるだけで、「もうたくさんだ」という声なき声、苦虫を噛んで呻くような怒りを抱えていることが見えてくるようです。そしてそれをなくさずに叫び、歌い、笑い、他のキラー達と言葉を交わします。
私はその、役が抱えているものが芝居のなかでどっかにいかない、うっかり置き忘れない中谷さんをすごくよいなと思っています。
本作のアイリーンが歌う劇中歌に、「モンスターのバラード」という歌があるのですが、この歌の歌詞は考えて書いたというより、頭のなかに降ってきたみたいな感じでした。
戯曲を書いているとたまにあることなのですが、自分が何を書けばいいのかが考えなくてもわかることがあります。
このバラードが歌われる場面は、中谷さんの深い響きのある声と演技、演出、曲とが力強くあわさった、推したい名シーンになっていますが、何より、生き生きとアイリーン・ウォーノスでいる中谷弥生さんを全編推したい気持ちでいっぱいです。
誰かの血を流す「モンスター」ではなく、熱い血の流れている「人間」の中谷弥生版アイリーン。
私のように、中谷さんをよく知ってると思っていた人にも、中谷弥生という俳優が初めての方にも、是非観て頂きたいと思います。
【ご予約フォーム】
https://www.quartet-online.net/ticket/killer_queens?m=0afifee
(中谷弥生さん扱い )

劇団劇作家10月公演
リーディングミュージカル
『Killer Queens!』
【ストーリー】
伝説のシリアルキラー、切り裂きジャックとならびたつ女性キラー「KillerQueen」の座をかけて、「マスター」を名乗る謎の司会者のもと、コンテストに集った8人の女性殺人者たち。
はたして「KillerQueen」の座は誰の手に…?
シリアルキラーズ×シスターフッドストーリー!!
【脚本】モスクワカヌ(劇団劇作家)
【演出】赤澤ムック
【音楽】伊藤靖浩
【会場】
TACCS1179
〒161-0034 東京都新宿区上落合1-17-9
西武新宿線 下落合駅下車 北口から徒歩約3分
※本公演の会場は地下にあり、エレベーター等の設備がございません。大変申し訳ありませんが、車いすでのご入場が難しい旨あらかじめご了承ください。
【日時】
2022年10月14日(金)~16日(日)
10/14(金) 19:00
10/15(土) 14:00/19:00
10/16(日) 11:30/16:00
※開場は開演の30分前です。
【チケット】全席自由
一般 4,000円
学生U-18 2,000円
障がい者割引 2,000円
配信チケット 1,500円
【ライブ配信について】
■日時
2022年10月16日(日) 11:30
■アーカイブ販売期間
2022年10月30日(土) 23:00まで
■アーカイブ視聴期間
2022年10月31日(日) 23:55まで
ライブ配信チケット購入はこちらから
https://musicalkillerqueens.peatix.com/
【CAST】
伊藤 昌子
大田 翔
岡田 あがさ
小見 美幸
角島 美緒
神 由紀子(朱の会)
関森 絵美
竹内 真里
露詰 茉悠
中谷 弥生
(五十音順)
【お知らせ】
本公演は感染症対策の観点から、ご来場頂くお客様に以下の事項をお願いしております。
おそれいりますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
・入館される際、検温を実施いたします。検温にて 37.5℃ 以上の発熱が見られる方につきましては劇場内へのご入場をお断り致します。
・公演中に激しい咳や発熱など感染の疑いのあるお客様が発生した場合には、ご退席頂きます。
・ご来場の際には不織布マスク着用でお願い致します。
・入り口にアルコール除菌スプレーを設置し、除菌にご協力頂きます。
・受付やトイレなどに並ぶ場合には、できる限り間隔を開けてお並び下さい。
・出演者への差し入れ・プレゼントは受け付けておりません。
・終演後の出演者・スタッフとのご面会はできません。
【その他】
今回使用する劇場は、ロビーから客席までの移動手段が階段のみとなります。
そのため、大変恐れ入りますが、車椅子でのご入場が難しい旨、あらかじめご了承くださいませ。
ご観劇に際して、お問い合わせやご不明な点等ありましたらご相談ください。

アイリーン・ウォーノスは「モンスター」と呼ばれたアメリカのシリアルキラーで、幼少期から家庭で虐待をうけて育ち、売春で生計をたてながら荒れた貧しい生活を続け、恋人と暮らしていた30代の頃に、自分を買った男たちを1年の間に7人殺害します。
逮捕後の裁判で死刑判決をうけて約10年服役した後、2002年に刑が執行されました。
彼女を題材にした作品のなかでは、『モンスター』という映画がおそらくもっとも有名ですが、それ以外にもドキュメンタリー映画が撮影されていたり、彼女が獄中で友人と交わしていた手紙が書籍として出版されている等、生前から様々なメディア、クリエイター、大衆の注目を集めた女性です。
本作でそのアイリーンを演じる中谷弥生さんと私は、知り合ってからもう10年ほどになります。
公演をつくっていく過程のなかで、中谷弥生さんのアイリーン・ウォーノスが誕生していったのですが、10年来の知己である私の予想や想像を、ぐーんと飛び越していくくらい、シンプルに言えば、弥生さんの演じるアイリーン・ウォーノスはよいのです、とても。
私が知っている弥生さんは、真面目でいつも周りをよく見ていて、頭の回転が速くて気配り上手。必要な時に必要なことをパッとできる等等、ぼんやりしがちな私に出来ないことをなんでもできる人でした。
それに対し、ドキュメンタリーやフィクションの中のアイリーン・ウォーノスは、荒んだ環境のなかで生まれ育ち、陽気にしていたかと思えば突然激怒して酒ヤケした声で気に入らない相手をドヤしつけたり、まるで息を吐くように昨日と今日とでまるきり違う殺人の動機を語る等、乱暴で短慮、物事を集中して考えたり覚えていたりするのが苦手で、常に怒りを抱え、自分で自分を持て余し気味のように見える女性です。
ですが、サイズの合わない汚れたシャツを適当に着て不機嫌そうにしている中谷さんは、鉛のような火のような怒りをずっと飲み込まされてきたキラーとして、こちら側へねめつけるような視線をくれています。
アイリーン・ウォーノスとして舞台に立つ中谷さんの説得力に、俳優と役とがお互いを引き立てあうようなマリアージュが見れることに、稽古でも小屋入りしてからも毎回すごくワクワクしています。

劇中、アイリーンは「あんたさ、世の中なんてクソくらえっつって、結局クソ喰らわされた側だろ」というセリフを投げます。
ですが現実のアイリーン・ウォーノスこそ、自分で選んだわけでない過酷な家庭環境のなかで、映画スターを夢見る少女だった彼女が望んだわけじゃないクソみたいなものをたくさん無理やり詰め込まれてきた女性です。
彼女をモデルにした映画にも、彼女の半生を綴った書籍にも、彼女を自分の欲望や怒りや甘えをいくらでも詰め込んで構わないかのように扱う男達が何人も登場します。
「むしろよく30歳すぎるまで人を殺さなかったな…? 実はめちゃくちゃ我慢強いタフな人だったのでは…?」と一瞬誤解しそうになるくらいです。(何度も暴力沙汰を起こしている彼女が殺人を犯さずにいたのはたまたまだったのかなとは思いつつ)
ですが当たり前ですが彼女は、何を食わされても平気だったわけでもなく、ただ黙って口を開けているだけの穴でもなく、生きた人間でした。
そして「もうたくさんだ!」と叫ぶみたいに、彼女は7人の男たちを撃ち殺して、捕まって処刑されました。
中谷さん演じる劇中のアイリーンは多弁ではありませんが、黙ってただそこにいるだけで、「もうたくさんだ」という声なき声、苦虫を噛んで呻くような怒りを抱えていることが見えてくるようです。そしてそれをなくさずに叫び、歌い、笑い、他のキラー達と言葉を交わします。
私はその、役が抱えているものが芝居のなかでどっかにいかない、うっかり置き忘れない中谷さんをすごくよいなと思っています。
本作のアイリーンが歌う劇中歌に、「モンスターのバラード」という歌があるのですが、この歌の歌詞は考えて書いたというより、頭のなかに降ってきたみたいな感じでした。
戯曲を書いているとたまにあることなのですが、自分が何を書けばいいのかが考えなくてもわかることがあります。
このバラードが歌われる場面は、中谷さんの深い響きのある声と演技、演出、曲とが力強くあわさった、推したい名シーンになっていますが、何より、生き生きとアイリーン・ウォーノスでいる中谷弥生さんを全編推したい気持ちでいっぱいです。
誰かの血を流す「モンスター」ではなく、熱い血の流れている「人間」の中谷弥生版アイリーン。
私のように、中谷さんをよく知ってると思っていた人にも、中谷弥生という俳優が初めての方にも、是非観て頂きたいと思います。
【ご予約フォーム】
https://www.quartet-online.net/ticket/killer_queens?m=0afifee
(中谷弥生さん扱い )

劇団劇作家10月公演
リーディングミュージカル
『Killer Queens!』
【ストーリー】
伝説のシリアルキラー、切り裂きジャックとならびたつ女性キラー「KillerQueen」の座をかけて、「マスター」を名乗る謎の司会者のもと、コンテストに集った8人の女性殺人者たち。
はたして「KillerQueen」の座は誰の手に…?
シリアルキラーズ×シスターフッドストーリー!!
【脚本】モスクワカヌ(劇団劇作家)
【演出】赤澤ムック
【音楽】伊藤靖浩
【会場】
TACCS1179
〒161-0034 東京都新宿区上落合1-17-9
西武新宿線 下落合駅下車 北口から徒歩約3分
※本公演の会場は地下にあり、エレベーター等の設備がございません。大変申し訳ありませんが、車いすでのご入場が難しい旨あらかじめご了承ください。
【日時】
2022年10月14日(金)~16日(日)
10/14(金) 19:00
10/15(土) 14:00/19:00
10/16(日) 11:30/16:00
※開場は開演の30分前です。
【チケット】全席自由
一般 4,000円
学生U-18 2,000円
障がい者割引 2,000円
配信チケット 1,500円
【ライブ配信について】
■日時
2022年10月16日(日) 11:30
■アーカイブ販売期間
2022年10月30日(土) 23:00まで
■アーカイブ視聴期間
2022年10月31日(日) 23:55まで
ライブ配信チケット購入はこちらから
https://musicalkillerqueens.peatix.com/
【CAST】
伊藤 昌子
大田 翔
岡田 あがさ
小見 美幸
角島 美緒
神 由紀子(朱の会)
関森 絵美
竹内 真里
露詰 茉悠
中谷 弥生
(五十音順)
【お知らせ】
本公演は感染症対策の観点から、ご来場頂くお客様に以下の事項をお願いしております。
おそれいりますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
・入館される際、検温を実施いたします。検温にて 37.5℃ 以上の発熱が見られる方につきましては劇場内へのご入場をお断り致します。
・公演中に激しい咳や発熱など感染の疑いのあるお客様が発生した場合には、ご退席頂きます。
・ご来場の際には不織布マスク着用でお願い致します。
・入り口にアルコール除菌スプレーを設置し、除菌にご協力頂きます。
・受付やトイレなどに並ぶ場合には、できる限り間隔を開けてお並び下さい。
・出演者への差し入れ・プレゼントは受け付けておりません。
・終演後の出演者・スタッフとのご面会はできません。
【その他】
今回使用する劇場は、ロビーから客席までの移動手段が階段のみとなります。
そのため、大変恐れ入りますが、車椅子でのご入場が難しい旨、あらかじめご了承くださいませ。
ご観劇に際して、お問い合わせやご不明な点等ありましたらご相談ください。
2022年10月13日 (木) 16:28 | 編集
『KillerQueens!』のキャスト紹介、7人目はオルガ・ヘプナロヴァ役の露詰茉悠さんです。
今作で初めて現場をご一緒させていただく露詰さん。
演じて頂くのは、チェコのキラー、オルガ・ヘプナロヴァ。
オルガは日本ではほとんど知名度のないキラーですが、女性では珍しいマス・マーダラー、大量殺人犯です。
彼女は青少年期から精神的なトラブルや家族との不仲に悩まされており、10代の頃に自殺未遂で精神科への入院歴があります。
成人後も、仕事のうえでの人間関係や恋人との関係で挫折を繰り返し、世の中への疎外感、憎悪を募らせていきました。
そして1973年6月、22歳のオルガはトラックで路面電車の停留所に突っ込み、8人を殺害。
裁判でも弁護人に協力せず自らを正気と言い張り、「これは私による世の中への死刑宣告だ」と語りました。
結果、彼女は23歳の若さで絞首台の露と消えましたが、処刑当日は取り乱し、刑務官が引きずっていかなくてはならなかったと言われています。

露詰茉悠さんは、以前某ミュージカル舞台で拝見した時に、華のある素敵な俳優さんだと思って心のメモにとっておいた方なのですが、『KillerQueens!』にオルガ・ヘプナロヴァを登場させようと思った時に、是非お願いしたいと思いました。
笑顔が素敵で、自然にほころぶ花のような明るさと伸びやかさをもっている露詰さんと、他人と心を通わせることが出来ず思い詰めて極端な行動に走ったオルガとは、一見するととても隔たった人間のように思えるのですが、私が観た舞台で露詰さんが見せた一瞬の表情から、オルガの役と彼女とが結びつく気がしたのです。
オルガはある方法でキラークイーンコンテストが行われている会場に登場してくるのですが、稽古で露詰さんが初めてオルガとして登場してきた時、「よっしゃあ!」と心のなかでガッツポーズがでました。
硬くて、脆くて、ある種の闇の鮮やかさを登場と共にその場に咲かせるオルガ・ヘプナロヴァがちゃんと居たからです。
稽古場の露詰さんは、にこやかで真剣で、演劇へのひたむきさが端々から見える可愛らしい方なのですが、そんな彼女の「オルガ・ヘプナロヴァ」を、是非普段の露詰さんを知る人に観てもらえたらなとおもっています。
ちなみに、演出としてオルガの衣装はダサいものを…という方向性で検討されたのですが、露詰さんがなんでも着こなしてしまうせいでどんなきわどいアイテムも全然ダサくならず、何を着せても「普通に可愛くない?」となるという珍事もありました。試行錯誤の結果、なかなかダサくなったのではないかと思うので、オルガの衣装にも是非注目してください。
オルガ・ヘプナロヴァは、トラックで群衆に突っ込む直前に新聞社あてに宣言文を送るのですが、その宣言文のなかで、世の中がいかに自分を傷つけ損なってきたかについて書き、その償いを求めました。
彼女のしたことは最悪の選択でしたし、オルガの心理や思考は、たまたま停留所にいて彼女によって轢死しなくてはならなかった被害者とその遺族からすれば理不尽極まりなく、また不可解なものだったと思います。
ですが、私はオルガ・ヘプナロヴァというキラーになった女性の存在を知った時、彼女が思い詰めていった道、追い詰められた場所を「知っている」と思いました。
私は以前別の作品で「私だけが誰ともかみ合わない、世界の一部になれないパズルのピースみたい。いっそ世界がバラバラになってしまえば、自分の歪さは普通のことになって、私は皆と一緒になれる」というようなセリフを書いたことがあります。
時代も国も違う彼女が感じていたであろう疎外感、罪悪感。自分を受け入れず、また自分がうまく受け入れることができない社会に対する憎悪は、彼女のような表現の形をとっていないだけで、自分のなかにも確かに存在しているのだと思いました。
オルガ・ヘプナロヴァは、自身を他人から砕かれたガラスのように思い、トラックという武器を借りて、尖った破片となった自分自身を彼女が属することが出来なかった「人々」の中にぶつけていったのではないか。世の中を裁くと言いつつ、私は彼女が最後まで誰かを求めていたように思えるのです。
日本には金継ぎという、割れた陶器のかけらを継いで元の形にしたり、あえて新しい形を作ったりという文化があります。
オルガ・ヘプナロヴァについて日本で触れられる資料は多くなく、可能なかぎり映像や資料にあたりはしましたが、作家である私が彼女について知れたことは、情報としては断片的なものです。ですが、その情報のカケラの隙間を、出来るだけ丁寧に継ぐようなイメージで、砕けたガラスのような彼女、本作のオルガ・ヘプナロヴァを書きました。
最初は固く握りしめた拳のように誰にも心を開くことがなかったオルガですが、キラー達の中で少しずつ緩み、ほころび、そして傷ついた他の人にそっと掌で触れるように声をかけられるようになっていきます。
そうやって花が咲いていくように変わっていくオルガを演じる露詰茉悠さんの繊細な変化を、観て頂けたらと思います。
【ご予約フォーム】
https://www.quartet-online.net/ticket/killer_queens?m=0ldgbjb
(露詰茉悠さん扱い)

劇団劇作家10月公演
リーディングミュージカル
『Killer Queens!』
【ストーリー】
伝説のシリアルキラー、切り裂きジャックとならびたつ女性キラー「KillerQueen」の座をかけて、「マスター」を名乗る謎の司会者のもと、コンテストに集った8人の女性殺人者たち。
はたして「KillerQueen」の座は誰の手に…?
シリアルキラーズ×シスターフッドストーリー!!
【脚本】モスクワカヌ(劇団劇作家)
【演出】赤澤ムック
【音楽】伊藤靖浩
【会場】
TACCS1179
〒161-0034 東京都新宿区上落合1-17-9
西武新宿線 下落合駅下車 北口から徒歩約3分
※本公演の会場は地下にあり、エレベーター等の設備がございません。大変申し訳ありませんが、車いすでのご入場が難しい旨あらかじめご了承ください。
【日時】
2022年10月14日(金)~16日(日)
10/14(金) 19:00
10/15(土) 14:00/19:00
10/16(日) 11:30/16:00
※開場は開演の30分前です。
【チケット】全席自由
一般 4,000円
学生U-18 2,000円
障がい者割引 2,000円
配信チケット 1,500円
【ライブ配信について】
■日時
2022年10月16日(日) 11:30
■アーカイブ販売期間
2022年10月30日(土) 23:00まで
■アーカイブ視聴期間
2022年10月31日(日) 23:55まで
ライブ配信チケット購入はこちらから
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【CAST】
伊藤 昌子
大田 翔
岡田 あがさ
小見 美幸
角島 美緒
神 由紀子(朱の会)
関森 絵美
竹内 真里
露詰 茉悠
中谷 弥生
(五十音順)
【お知らせ】
本公演は感染症対策の観点から、ご来場頂くお客様に以下の事項をお願いしております。
おそれいりますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
・入館される際、検温を実施いたします。検温にて 37.5℃ 以上の発熱が見られる方につきましては劇場内へのご入場をお断り致します。
・公演中に激しい咳や発熱など感染の疑いのあるお客様が発生した場合には、ご退席頂きます。
・ご来場の際には不織布マスク着用でお願い致します。
・入り口にアルコール除菌スプレーを設置し、除菌にご協力頂きます。
・受付やトイレなどに並ぶ場合には、できる限り間隔を開けてお並び下さい。
・出演者への差し入れ・プレゼントは受け付けておりません。
・終演後の出演者・スタッフとのご面会はできません。
【その他】
今回使用する劇場は、ロビーから客席までの移動手段が階段のみとなります。
そのため、大変恐れ入りますが、車椅子でのご入場が難しい旨、あらかじめご了承くださいませ。
ご観劇に際して、お問い合わせやご不明な点等ありましたらご相談ください。
今作で初めて現場をご一緒させていただく露詰さん。
演じて頂くのは、チェコのキラー、オルガ・ヘプナロヴァ。
オルガは日本ではほとんど知名度のないキラーですが、女性では珍しいマス・マーダラー、大量殺人犯です。
彼女は青少年期から精神的なトラブルや家族との不仲に悩まされており、10代の頃に自殺未遂で精神科への入院歴があります。
成人後も、仕事のうえでの人間関係や恋人との関係で挫折を繰り返し、世の中への疎外感、憎悪を募らせていきました。
そして1973年6月、22歳のオルガはトラックで路面電車の停留所に突っ込み、8人を殺害。
裁判でも弁護人に協力せず自らを正気と言い張り、「これは私による世の中への死刑宣告だ」と語りました。
結果、彼女は23歳の若さで絞首台の露と消えましたが、処刑当日は取り乱し、刑務官が引きずっていかなくてはならなかったと言われています。

露詰茉悠さんは、以前某ミュージカル舞台で拝見した時に、華のある素敵な俳優さんだと思って心のメモにとっておいた方なのですが、『KillerQueens!』にオルガ・ヘプナロヴァを登場させようと思った時に、是非お願いしたいと思いました。
笑顔が素敵で、自然にほころぶ花のような明るさと伸びやかさをもっている露詰さんと、他人と心を通わせることが出来ず思い詰めて極端な行動に走ったオルガとは、一見するととても隔たった人間のように思えるのですが、私が観た舞台で露詰さんが見せた一瞬の表情から、オルガの役と彼女とが結びつく気がしたのです。
オルガはある方法でキラークイーンコンテストが行われている会場に登場してくるのですが、稽古で露詰さんが初めてオルガとして登場してきた時、「よっしゃあ!」と心のなかでガッツポーズがでました。
硬くて、脆くて、ある種の闇の鮮やかさを登場と共にその場に咲かせるオルガ・ヘプナロヴァがちゃんと居たからです。
稽古場の露詰さんは、にこやかで真剣で、演劇へのひたむきさが端々から見える可愛らしい方なのですが、そんな彼女の「オルガ・ヘプナロヴァ」を、是非普段の露詰さんを知る人に観てもらえたらなとおもっています。
ちなみに、演出としてオルガの衣装はダサいものを…という方向性で検討されたのですが、露詰さんがなんでも着こなしてしまうせいでどんなきわどいアイテムも全然ダサくならず、何を着せても「普通に可愛くない?」となるという珍事もありました。試行錯誤の結果、なかなかダサくなったのではないかと思うので、オルガの衣装にも是非注目してください。
オルガ・ヘプナロヴァは、トラックで群衆に突っ込む直前に新聞社あてに宣言文を送るのですが、その宣言文のなかで、世の中がいかに自分を傷つけ損なってきたかについて書き、その償いを求めました。
彼女のしたことは最悪の選択でしたし、オルガの心理や思考は、たまたま停留所にいて彼女によって轢死しなくてはならなかった被害者とその遺族からすれば理不尽極まりなく、また不可解なものだったと思います。
ですが、私はオルガ・ヘプナロヴァというキラーになった女性の存在を知った時、彼女が思い詰めていった道、追い詰められた場所を「知っている」と思いました。
私は以前別の作品で「私だけが誰ともかみ合わない、世界の一部になれないパズルのピースみたい。いっそ世界がバラバラになってしまえば、自分の歪さは普通のことになって、私は皆と一緒になれる」というようなセリフを書いたことがあります。
時代も国も違う彼女が感じていたであろう疎外感、罪悪感。自分を受け入れず、また自分がうまく受け入れることができない社会に対する憎悪は、彼女のような表現の形をとっていないだけで、自分のなかにも確かに存在しているのだと思いました。
オルガ・ヘプナロヴァは、自身を他人から砕かれたガラスのように思い、トラックという武器を借りて、尖った破片となった自分自身を彼女が属することが出来なかった「人々」の中にぶつけていったのではないか。世の中を裁くと言いつつ、私は彼女が最後まで誰かを求めていたように思えるのです。
日本には金継ぎという、割れた陶器のかけらを継いで元の形にしたり、あえて新しい形を作ったりという文化があります。
オルガ・ヘプナロヴァについて日本で触れられる資料は多くなく、可能なかぎり映像や資料にあたりはしましたが、作家である私が彼女について知れたことは、情報としては断片的なものです。ですが、その情報のカケラの隙間を、出来るだけ丁寧に継ぐようなイメージで、砕けたガラスのような彼女、本作のオルガ・ヘプナロヴァを書きました。
最初は固く握りしめた拳のように誰にも心を開くことがなかったオルガですが、キラー達の中で少しずつ緩み、ほころび、そして傷ついた他の人にそっと掌で触れるように声をかけられるようになっていきます。
そうやって花が咲いていくように変わっていくオルガを演じる露詰茉悠さんの繊細な変化を、観て頂けたらと思います。
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(露詰茉悠さん扱い)

劇団劇作家10月公演
リーディングミュージカル
『Killer Queens!』
【ストーリー】
伝説のシリアルキラー、切り裂きジャックとならびたつ女性キラー「KillerQueen」の座をかけて、「マスター」を名乗る謎の司会者のもと、コンテストに集った8人の女性殺人者たち。
はたして「KillerQueen」の座は誰の手に…?
シリアルキラーズ×シスターフッドストーリー!!
【脚本】モスクワカヌ(劇団劇作家)
【演出】赤澤ムック
【音楽】伊藤靖浩
【会場】
TACCS1179
〒161-0034 東京都新宿区上落合1-17-9
西武新宿線 下落合駅下車 北口から徒歩約3分
※本公演の会場は地下にあり、エレベーター等の設備がございません。大変申し訳ありませんが、車いすでのご入場が難しい旨あらかじめご了承ください。
【日時】
2022年10月14日(金)~16日(日)
10/14(金) 19:00
10/15(土) 14:00/19:00
10/16(日) 11:30/16:00
※開場は開演の30分前です。
【チケット】全席自由
一般 4,000円
学生U-18 2,000円
障がい者割引 2,000円
配信チケット 1,500円
【ライブ配信について】
■日時
2022年10月16日(日) 11:30
■アーカイブ販売期間
2022年10月30日(土) 23:00まで
■アーカイブ視聴期間
2022年10月31日(日) 23:55まで
ライブ配信チケット購入はこちらから
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【CAST】
伊藤 昌子
大田 翔
岡田 あがさ
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角島 美緒
神 由紀子(朱の会)
関森 絵美
竹内 真里
露詰 茉悠
中谷 弥生
(五十音順)
【お知らせ】
本公演は感染症対策の観点から、ご来場頂くお客様に以下の事項をお願いしております。
おそれいりますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
・入館される際、検温を実施いたします。検温にて 37.5℃ 以上の発熱が見られる方につきましては劇場内へのご入場をお断り致します。
・公演中に激しい咳や発熱など感染の疑いのあるお客様が発生した場合には、ご退席頂きます。
・ご来場の際には不織布マスク着用でお願い致します。
・入り口にアルコール除菌スプレーを設置し、除菌にご協力頂きます。
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・出演者への差し入れ・プレゼントは受け付けておりません。
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【その他】
今回使用する劇場は、ロビーから客席までの移動手段が階段のみとなります。
そのため、大変恐れ入りますが、車椅子でのご入場が難しい旨、あらかじめご了承くださいませ。
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