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劇団劇作家ブログ
現在、劇団劇作家に参加している劇作家がお送りする日常のあれこれ
観劇びより
2014年02月28日 (金) 13:39 | 編集
「劇読み」が終わり、やっと観劇の日々が戻ってきた。とはいっても、一時期のように年間250本前後ということはなくなったが…。
あの頃、浦島花子状態の私は、30年間のブランクを取り戻すべく、必死に劇場へ通い詰めたのだが…、今は100から150本といったところか。
そして自分で、自分だけの今年のベスト3というのをやっている。
ちなみに昨年のベスト3は、
1・「国語の時間」作者の志の高さに対して。
2・「わが友、ヒットラー」これは、作、演出、役者、装置、明り、すべてバランス良い作品になっていた為。
3・「1300海里の彼方、えにしの氷川丸」これは自作なので自画自賛です。


で、先日は新宿のサザンへ向かった。
テネシー・ウイリアムズ!
演目は「蝋燭の灯、太陽の光」…、何だっていい。
私はテネシー・ウイリアムズと聞いただけで胸キュンなのだ。
あの、詩を詠んでいるようなセリフ、胸が痛くなるほどの人物描写… etc。
けれど今回の作品はそういったものではなく、プロテスト演劇のようであった。
劇団民芸のチラシによると、「正義感に燃える青年ウイリアムズの無名時代の異色作を本邦初演」とある。
確かにプロテスト性の強いものではあったが、この作品が生まれた30年代の、正義感に燃える若いウイリアムズの魂に心打たれた。そしてこの作品も、その後の彼の作品の根っこの所ではつながっているんだなあ…と、あらためて感じずにはいられなかった。
例えば、日色ともゑが演じる、地味な女性ファーンが、物語が進むうちに力強く生命力を持って来る所など「薔薇の刺青」のセラフィーナの強さに似て、中々見ごたえがあり、なにげないセリフの中にその後の彼の詩人的なものが垣間見え、心ときめくひとときであった。


大森匂子
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畏れ
2013年07月27日 (土) 11:46 | 編集
東京演劇アンサンブルの公演「はらっぱのおはなし」を見てきました。松居スーザン作、篠原久美子脚本、関根信一演出。はらっぱの虫たちの命が躍動する、とてもとても美しい詩的な空間でした。何を言ってもネタばれになるので、なにしろ見て下さい。
我が家の近くの樹齢300年は越す欅の大木が、先日あっさりと切り倒されてしまいました。豊島区保護樹木と看板をぶら下げていたのに! 子どもの頃から見慣れていた4階建ての建物ほどの高さの木が突然無くなってしまい、風景に大きな穴が開いたようです。
人間が自然に対する畏れを失って久しくなりますが、そのことのしっぺ返しが今来ているような気がします。今朝の新聞には「福島第一原発三号機原子炉から水蒸気漏れか」という記事が載っています。
福山
MCR
2012年04月14日 (土) 20:57 | 編集
こんにちわ。
さかもとりんです。

MCRさんという劇団をみてきたいましがた。
駅前劇場。

すげーおもしろかった。
ひりひりするよ!!

オシャレ空間。
あのせっぱつまったシチュエーションをじりじりと、軽快に突っ走っていく抜群の台詞。構造。展開。人間関係。
そしてがっつり笑えるの。
でも心臓のあたりを、ずっとちりちりと触ってくる。
なに、なんなの。

もー。

MCRさんて
昔友達出てたから観に行って、
結構面白いな、とおもったはずなんだけど
一緒に行った友達があんまりお気に召さなかったようで
なんか、あんまり良い印象ではなくなっていたんだよね。

でも、あのときもおもしろいとおもったんだ。

でも、それより抜群におもしろくなってた。
すげえ。

うかうかしているあいだに。
みんなすごいことに。


最近観る演劇観る演劇ほんとーに面白くて絶望する。


あーーーー。



もーーーー。




でも、最近同級生の友人と、いまからはじめても、大丈夫なんだって話をした。なんか。なんでも。
いまからはじめても、おそくない。


ちまたにあふれかえってるコトバですが。
附に落ちたのでした。

いまからはじめても、おそくない。
今更恥ずかしいとおもわなければ。
1+1を2にして、2+1を3にして行く気があれば。
それを進んでいると思えれば。

だいたい5くらいで評価されるし。
自分があとからきたひとにあっという間に抜かれるように。
自分だって、先にいるひとを追い越すことも不可能ではないわけで。

みたいな話。
そうなんだよなー。
こわいんだけどねー。
年をとると、すぐびびっちゃうんだけど。


でも、まあ、確かに、いまからはじめようとおもうのです。
びびっていてもすすまないから。

だいぶ出遅れてるけどね。





演劇を。


いまから、


やります。


ぬいぐるみハンター
2011年02月07日 (月) 00:18 | 編集
こんにちわ。りんです。なかなか書けずにもんもんとしている日々をすごしていますが、最近素敵なお芝居をみたので感想書かせてくださいませ。

つい先日、ぬいぐるみハンターという劇団の「くちびるぱんつ」という芝居をみました。友人のおすすめで。
面白いのかよ・・・と、半信半疑で行きましたが。

これがもう。

オシャレでかっこよくて、とにかくかわいい。
原色のサイバー衣装が!
女の子のぱんつが!男の子のめがねが!帽子が!ねこが!
テクノが!目つぶしが!ジャングルジムが!

うー、ごちゃっとしててとんでもなくかわいいぜー。

メッセージ性とかなんもなくて、目の前で面白いことしようってことだけを大胆かつ緻密に誠実につみあげているかんじ。
危うさもあるのに、バランス感覚ばつぐん。
んでもって、すっげえ楽しそう!!
題名の「くちびるぱんつ」もう全く関係ない!


あー、もう!もうなあ!!!


えんげきって、おもしれえ。


エンターテイメントとはこういうことだ、と、示されてしまったなあ。
わたしはこういうことをしたくって、演劇をしているんだよ。と、思い知る。

どうしても、どんどん作家よりになってしまうんだけど
作家がやりたいんじゃなくて、演劇がつくりたいんだよね。と。

ああ、生。
生、いいな、畜生。

くやしいな。くやしくさせてもらってうれしいな。

面白いことってすぐ飽きる。
飽きるから、すぐわかんなくなる。
面白いってなんだ。

自分はどんどん変わるから、どんどん更新しないといけないのに、追いつかなくて捨てられなくて、飽きて古びた面白いの感覚にすがりつく。

そうやって、うごけなくなった気持ちとか、重ねてきて重たくなった想いとかが、久しぶりにしゅっとした。
揺れたりぶれたり迷ったりしていたものが、一瞬くっととまってみえた。

ちょっと更新。
すこし前進できる気がする。
三角屋敷
2010年05月02日 (日) 16:58 | 編集
先月、新橋演舞場で『四谷怪談忠臣蔵』という歌舞伎を見た。これは、市川猿之助が以前上演した作品の再々演で、今回猿之助は出演していないが、いわゆる猿之助一門が中心となっての上演である。
ご存知の方もいるだろうが、鶴屋南北作『東海道四谷怪談』は、初演時『仮名手本忠臣蔵』と交互に組み合わせ二日に渡って上演された。その趣向を酌んで、いくつかの原作にはない新しいシーンを書き加え、三幕十六場の芝居に仕立ててある。
芝居は、〔宙乗り〕や〔本水〕(←舞台上で本物の水を流すこと)での〔立ち廻り〕などビジュアルに訴えるサービスを多く取り入れて客席を沸かせていたが、その一方で、原作両方のストーリーを追い掛ける必要からくるスピーディーな場面転換が慌ただし過ぎるという印象も否めなかった。
そんな中で、一番の収穫と言えるのは、普段『四谷怪談』の〈通し〉では時間の関係で上演されないことが多い「三角屋敷」を、極力カットを少なくして上演したことだ。
この場面は、「お岩・伊右衛門」の筋ではなく、もう一方の「お袖(=お岩の妹)・直助」の筋に当るが、時代と世話が入り混じった南北らしい味のある場面で、あまり上演されないことを常々残念に思っていた。今回上演された「三角屋敷」は、キャスティングも良く、芝居全体の中でも一段と密度の濃い場面に仕上がっていたので、かなり楽しめた。

歌舞伎座の建て替えによる一時閉館で、このところニュースなどで歌舞伎に脚光が当ったが、実際に見に行ったことのある人は、意外に少ないと思う。歌舞伎に限らず、古典芸能というものは、現代演劇を作る人間にとって良い刺激を与えてくれることは間違いない。未体験の方は、ぜひ機会があったら一度御覧くだされたし!

校倉 元
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