2007年07月30日 (月) 09:54 | 編集
篠原です。
作家にはよく、常にメモ帳を持っていて、ネタになりそうな面白いことをこまめにメモするという方がいらっしゃいます。私にはこれができません。なぜなら、メモ帳をなくしてしまうからです。三日坊主だからです。けれども一番大きな理由は、私の脳が、「くだらない言葉をよく覚えている脳」だからです。「大事なことを覚えていられない脳」とも言えます。ですから、打ち合わせの時間や公共料金の振り込み期限などは手帳に記入します。お会いした方のお名前も書きます。締め切りも書きます。戯曲以外の締め切りを破ったことがないのはメモに書いてあるからです。戯曲の締め切りを守れないのは、メモとは関係がありません。
という訳で、メモしなくても覚えてしまった、なんの役に立つ訳でもない、つまり私にとって少しも大事ではない割に頭に焼き付いてしまった言葉を、街角名台詞」としてお送りしようと思います。
どうも街角には面白い台詞があふれているようです。私は劇作家ですので多少の脚色はしますが、90パーセント以上は、聞いたまんまの言葉を載せていきたいと思います。
劇作家達の台詞の研鑽の場になればと、ワタクシは、切に願うものであります。
その1 喫茶店にて
ウェイトレス 何になさいますか?
客 ホットミルクティー。
ウェイトレス ホットミルクティーですね。
客 はい。
ウェイトレス ホットとアイスがございますが。
客 …ホット。
ウェイトレス レモン、ミルク、ストレートとございますが。
客 …ミルク。
ウェイトレス かしこまりました。(奥へ)。
客 ……(ウェイトレスの後ろ姿を目で追う…)。
その2 電車の中で
酔っぱらったサラリーマン風の男が、白い靴を履いていた女性の足を踏んだ。白い靴には黒い靴墨がついてしまった。
女性 これじゃ、もう履けないじゃないですか。
男 すみません。
女性 謝ってもらってもなんにもなりませんよ。弁償して下さい!
男 それは…、上司に相談してきます。
その3 深夜 寂しい路上で(友人から聞いた話)
残業で帰宅が深夜になった若い女性が、駅からアパートまでの道を歩いていた。辺りにひと気はない。
と、一台の車体の低い、明らかに改造車と分かる車が近づいてきた。車は大きな音量で音楽を流し、スピードを落として、彼女の後ろをついてくる。
女性は身の危険を感じた。と、車は彼女の横に止まり、若い男が二人、声を掛けてきた。
「カノジョ、なにしてんの? 乗ってかない?」
彼女は咄嗟に下を向き、ゆっくり振り返ると、言った。
「へぇ…。あんた、あたしが見えるんだ…」
車はアクセルをふかし、猛烈な勢いで走り去っていった…。
街角の皆さん、素晴らしい台詞をお持ちで、劇作家一同、頭が下がります。
はい。
作家にはよく、常にメモ帳を持っていて、ネタになりそうな面白いことをこまめにメモするという方がいらっしゃいます。私にはこれができません。なぜなら、メモ帳をなくしてしまうからです。三日坊主だからです。けれども一番大きな理由は、私の脳が、「くだらない言葉をよく覚えている脳」だからです。「大事なことを覚えていられない脳」とも言えます。ですから、打ち合わせの時間や公共料金の振り込み期限などは手帳に記入します。お会いした方のお名前も書きます。締め切りも書きます。戯曲以外の締め切りを破ったことがないのはメモに書いてあるからです。戯曲の締め切りを守れないのは、メモとは関係がありません。
という訳で、メモしなくても覚えてしまった、なんの役に立つ訳でもない、つまり私にとって少しも大事ではない割に頭に焼き付いてしまった言葉を、街角名台詞」としてお送りしようと思います。
どうも街角には面白い台詞があふれているようです。私は劇作家ですので多少の脚色はしますが、90パーセント以上は、聞いたまんまの言葉を載せていきたいと思います。
劇作家達の台詞の研鑽の場になればと、ワタクシは、切に願うものであります。
その1 喫茶店にて
ウェイトレス 何になさいますか?
客 ホットミルクティー。
ウェイトレス ホットミルクティーですね。
客 はい。
ウェイトレス ホットとアイスがございますが。
客 …ホット。
ウェイトレス レモン、ミルク、ストレートとございますが。
客 …ミルク。
ウェイトレス かしこまりました。(奥へ)。
客 ……(ウェイトレスの後ろ姿を目で追う…)。
その2 電車の中で
酔っぱらったサラリーマン風の男が、白い靴を履いていた女性の足を踏んだ。白い靴には黒い靴墨がついてしまった。
女性 これじゃ、もう履けないじゃないですか。
男 すみません。
女性 謝ってもらってもなんにもなりませんよ。弁償して下さい!
男 それは…、上司に相談してきます。
その3 深夜 寂しい路上で(友人から聞いた話)
残業で帰宅が深夜になった若い女性が、駅からアパートまでの道を歩いていた。辺りにひと気はない。
と、一台の車体の低い、明らかに改造車と分かる車が近づいてきた。車は大きな音量で音楽を流し、スピードを落として、彼女の後ろをついてくる。
女性は身の危険を感じた。と、車は彼女の横に止まり、若い男が二人、声を掛けてきた。
「カノジョ、なにしてんの? 乗ってかない?」
彼女は咄嗟に下を向き、ゆっくり振り返ると、言った。
「へぇ…。あんた、あたしが見えるんだ…」
車はアクセルをふかし、猛烈な勢いで走り去っていった…。
街角の皆さん、素晴らしい台詞をお持ちで、劇作家一同、頭が下がります。
はい。
スポンサーサイト
→ 3年はあっという間ですね (06/01)
→ クロカワ (03/02)
→ 心もよう (03/02)
→ 村木 (02/14)
→ もりなつよ (01/25)
→ かほり (01/20)
→ 劇団劇作家 (01/14)