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劇団劇作家ブログ
現在、劇団劇作家に参加している劇作家がお送りする日常のあれこれ
紙切りと銭湯
2009年04月27日 (月) 04:54 | 編集
先日、久しぶりに演芸を見た。
その出し物の中に「紙切り」があった。
落語や講談は、以前何回か見たことがあったが、「紙切り」をナマで見たのは初めてだ。

伝統芸のひとつである「紙切り」は、観客から「お題」をもらって、即興で和紙に鋏を入れ、短時間で「お題」の絵柄を切り抜くものだ。
例えば、その日「三社祭」というリクエストで、ものの3分程度で見事に数人でお御輿を担いでいる絵柄を切り抜いて見せた。しかも、相当緻密に切り抜かれている。
テレビで見たことはあったが、ライヴで見ると本当に凄い!
一人前になるには、かなりの修行が必要だろう。

しかし「紙切り」は、落語や講談に比べて極めて継承者の少ない「絶滅危惧演芸」と言える。修行する弟子が極端に少ないそうだ。
鶯など鳥の声や水の後などを声で真似る「声帯模写」や、新派『滝の白糸』で知られる「水芸」なども「絶滅危惧演芸」だ。

これらに限らず、師匠から弟子へと伝承されていく芸事が後継者不足で消えてしまうのは、なんとも悲しい。
芸事だけではなく、伝統工芸や、古来からの風習や、古い町並みなど、古くからある物が時代の波にさらわれて消えていくのは、とても悲しい。
なんとかしなければ、と思う。

絶滅を食い止める手段のひとつは、一人でも多くの人にそれらの存在を知ってもらい、一人でも多くの人に触れてもらうことだ。
例えば、みんなが1年に1回でも銭湯を使えば、消え去っていった都会の多くの銭湯は生き残っていたと聞く。
おととし営業を終えて閉店し、今は不動産会社の管理となって解体を待つばかりの「廿世紀浴場」の素晴らしい建物を見ながら、改めて「なんとかしなければ」と思った。

校倉 元
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