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劇団劇作家ブログ
現在、劇団劇作家に参加している劇作家がお送りする日常のあれこれ
上半期の舞台から
2015年07月02日 (木) 15:25 | 編集
 今年に入ってから、身辺の変化により極端な多忙状態になってしまい、新作を書いたり旧作を改稿したりする時間が取れなくなってしまいました。それでも、なんとか時間を作って芝居は見るようにしています。
 そんな事情で長い間このブログにも投稿できずにいましたが、今年も半分が終わってしまいましたので、6月までの上半期に見た舞台の中から強く印象に残った数本の芝居について簡単なコメントを書いてみたいと思います。(以下、役者名の敬称は略)

◎狂言『武悪』〔2月・国立能楽堂〕………主人公に当たる武悪(シテ)の茂山千五郎と、彼を成敗しろと命じられた太郎冠者(アド)の茂山七五三が絶妙のバランスを見せてくれたが、それ以上に苦虫を噛み殺したような表情から終盤の笑いに変化する主人(アド)の山本東次郎が印象的な舞台だった。

◎歌舞伎『菅原伝授手習鑑』〔3月・歌舞伎座〕………久しぶりに〈昼夜通し〉で見て、作品の底力を感じたが、中でも絶品だった仁左衛門(菅丞相)のみならず彌十郎(宿禰)・歌六(兵衛)ら脇役も充実していた《道明寺》は、とても見応えのある舞台だった。

◎能『張良』/『谷行』〔3月・国立能楽堂〕………シテ方による企画なのに“ワキ方が活躍する能”と銘打って稀曲二番を連続して上演―――。舞台そのものも魅力的だったが、野心的かつ画期的な企画に拍手を送りたい。

◎歌舞伎『新薄雪物語』〔6月・歌舞伎座〕………今回は変則的な形での〈昼夜通し〉であり、出し方自体は感心しないが、舞台そのものは濃厚で魅力的だった。中でも、昼の《花見》と夜の《合腹》はとても充実していた。(今回のような舞台を見ると、たしかに「役者が揃わなければ『新薄雪』は出すな」という通説が正しいとわかる。)
 まず、昼の部《花見》―――。前半は、菊五郎・時蔵が絶妙のバランスで味のある芝居を見せてくれたし、それに応える錦之助・梅枝も役柄を活かしており、腰元たちも含めた絵巻としても楽しかった。後半、吉右衛門の団九郎には、ヤスリ目を入れるまでの一人芝居で既に目を釘付けにさせられたし、仁左衛門の弾正が放つ色気と風格も魅力的で、短い場面ながら「贅沢なご馳走」を味わった気分だった。
 夜の部《合腹》は、配役のバランスも良く「大出来」だったと言えよう。幸四郎も今回の伊賀守はとても良かったし、仁左衛門の兵衛も素晴らしかった。梅の方を勤めた魁春も立派で、そんな役者が揃った「三人笑い」にも堪能した。

校倉 元

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