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現在、劇団劇作家に参加している劇作家がお送りする日常のあれこれ
忠臣蔵
2016年10月17日 (月) 05:14 | 編集
かなり長い間「山篭り」みたいな状態で、このブログにも投稿できずにいましたが、ようやくコメントを書ける状況になりましたので、本当に久しぶりに投稿します。

東京の半蔵門に古典芸能を中心に上演する国立劇場という劇場があります。そこが今年開場50周年を迎えたため、記念の公演が9月から来年3月まで次々と上演されることになっています。
そんな記念公演のラインナップの中で、大きな「目玉」となっているのが、歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』の《3ヶ月連続完全通し上演》という企画です。

通称『忠臣蔵』というこの芝居は、「赤穂浪士の敵討」を題材にした浄瑠璃人形芝居(今で言う文楽)を歌舞伎化したもので、約250年前の初演以来現在に至るまで数え切れないほど再演が繰り返されている「大ヒット作」です。
しかも、現在は多くの歌舞伎作品が「見取り」(元来の脚本から好評な場面だけを選び、他の作品と並立して上演する形式)での上演なのに対して、この『忠臣蔵』は「通し」(興行上可能な上演時間内で、元来の脚本の主要な場面を序盤から終盤まで通して単品で上演する形式)での上演が多いので、まさに「超人気作品」と言えるのです。
しかし、いくら人気がある『忠臣蔵』でも、現代の社会状況からみて上演時間も限られますから、一日で全ての場面(大きく分けて11あります)を「通し上演」するのは無理なので、現行では昼夜二部制にしてそれぞれ3~4幕ぐらいに分けて上演する形式が一般的です。
そんな中で、今回の記念公演は3ヶ月にわたって「上演可能な場面を全て網羅した完全通し上演」(公演チラシより)で見せるという企画で、滅多に上演されない場面も含まれており、出演する役者陣も充実しているので、貴重な公演だと思います。

今月開幕した「第一部」では、高師直に侮辱を受けた塩冶判官が師直に斬り付けて切腹し、主君の無念を晴らすため家老の大星由良之介たち浪士が敵討を決意するまでを描きます。
そして今回は、いわゆる「サイドストーリー」のため普段は上演の稀な「桃井館」や「裏門」という場面も上演されています。これらの場面を含めて見ることで、今なお人気がある『忠臣蔵』という作品の魅力がわかると思います。

今まで歌舞伎を一度も見たことがない方も、何度か見たことがある方も、歌舞伎の魅力に触れる絶好のチャンスなので、お時間があれば劇場に足を運んではいかがでしょうか。(国立劇場なので、3階席ならチケット代が2,800円か1,800円でOK!)

校倉元
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